投稿日時:2015-07-10 8:00 AM

「共創のまち・肝付」始動! Pepperを初めて見たお年寄りたちの反応は?

Pepperの頭が淋しいと思ったようですキモPの頭が淋しいからと、利用者の方から帽子を掛けてくれました。※法被も着させたため放熱へのケアに留意しました。

 たからのやま社が今年新たに手がけるのが「共創のまち・肝付」プロジェクト。鹿児島県肝付町で、過疎地域の課題解決に寄与する製品の共同開発のフィールドを官民一体となり提供するものです。それを本当に必要としている人、特に高齢者とその周りの人々の声を、IT機器やロボットなどの製品開発に活かす新しいモノづくりの仕組みの構築を目指しています。

 そのキックオフの目玉として2015年7月2日〜3日の二日間、株式会社ハイレグタワーのウメムラタカシさんに協力いただき、「キモP」ことPepperを肝付町に連れてきました。肝付のプロモーションをするPepperなので「キモP」です。

 初日は役場で臨時職員としての辞令を受け、地域の方とPepper利活用のアイディアソンを開催。そして2日目はハイライトとなる介護施設訪問でした。前日のアイディアソンに集まった介護関係者の間では、目が光ることやその形が入所者・利用者の方に恐怖感(不気味さ)を与えるのではという声も上がっていました。少し緊張の面持ちで会場となる株式会社スマイルサポートさんの「芽生」へ。

 キモPが対面したのは、平均年齢約85歳、デイサービスを利用されている25名の方です。
今回試みたのは3つ。
・挨拶代わりに参加者の名前を呼ぶ
・デイサービスでいつもやっている「ズンドコ節」に合わせたダンスに飛び入り参加
・Pepperの機能を使って写真を撮る

 ダイジェストを2分の動画にまとめました。

 キモPと交流した多くのお年寄りに、私のような介護の素人目にも明らかな変化が見られました。いつもはダンスの時間に体を動かさなかった方が突然前に出てキモPに踊りを披露したり、キモPの「ハイチーズ!」に合わせて、膝を曲げ中腰の姿勢をとってくれたり(中腰になるのはとても大変な動作)、持っていた杖を瞬時に逆の手に持ち替えてピースサインしたり。職員の方も驚きを超え感動さえしていたようでした。

 事故やトラブルもなく、ポジティブな反応が得られたという意味で、今回の取り組みはスタートとして上々の成果を上げられました。これは、スマイルサポートさんの明るい雰囲気や、職員と利用者の信頼関係があるからこそ実施できたことです。どこの施設でも出来るわけではありません。

 モデレーターは、この事業の肝付町側の提唱者・能勢佳子さんが務めてくれました。能勢さんは保健師であり、普段から地域包括ケアシステムの構築分野で全国で事例発表をしている職員です。彼女が介護スタッフや高齢者のことを非常に良く理解し、事前から丁寧なコミュニケーションを続けていたことも大きな要因でした。

 そして我々は、こうした地元で頑張る人たちと、多くは大都市圏を中心とした開発者を繋ぐコーディネーター的役割を担っています。

課題と次回への展望

 とはいえ、今回はタレントが慰問に来たようなものです。

 しかもPepperの体の動きや会話はアプリ化されておらず、持ってきた個体も感情に関する機能は不十分です。それを補うため梅村さんがChoregraphe(Pepperの開発ツール)などを駆使し、横でひたすら操作してくれました。後日Pepperをよく知る人から、「結構な無茶振りしましたね」と呆れられました。。。

 お年寄りの方たちはその場では笑顔を見せ、アクティブになってくれました。キモPとの邂逅は40分程度。スマイルサポートさんのスタッフによると、体力・集中力的にも適度な時間だったとのこと。しかし数日後にその反動が来るかもしれないし、Pepperを日常で置いた時にどうなるか見たいという期待の声も現場から出ました。

 目指すべきは、こうした介護現場で働くスタッフの負担軽減やサービス向上につなげることです。今回のキモPの任務はたったの二日間。「キモPまた来てね」という言葉を忘れることはありません。そこで、さっそく次の仕込みもしているところです。

 また、Pepperがすべてではありません。これに限らずロボットやセンサー関連のIT機器などの開発で、過疎地域の人の声を反映させたモノづくりをしたい企業さんとは、積極的に組んでいこうと思います。


※後日、今回の関係者による別の側面からのエントリもアップ予定です。
※「Pepper」は、ソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。 本事業はソフトバンクのPepperを活用し、独自に実施しているものです。

【関連情報】
肝付町にロボット職員「きもピー」(読売新聞 2015年7月3日)
ロボット職員が誕生 鹿児島・肝付町 [鹿児島県](西日本新聞 2015年7月3日)

梅村さんが遠隔操作ウメムラタカシさん(写真右手前)が必死にキモPの操作をしてくれました。