投稿日時:2014-09-18 10:00 AM

介護者の孤独解消にITができる事 – みっちゃん応援団の奇跡!

執筆者:奥田浩美(株式会社たからのやま・代表取締役)

 私が「ITふれあいカフェ」を全国に拡げようとしている根底には、自分の家庭の「課題」があります。私の両親は鹿児島の過疎地の町で老老介護です。父は介護認定4で、1年前は車いすにも乗れない状況でした。そんな父を介護する母を励ますために作ったLineグループが「みっちゃん応援団」です。母と、私と妹、私の娘、妹の娘たち:3世代・計6名のグループです。

 最初は母に励ましの声をかけるつもりで作ったものでしたが、そのうち私と妹が仕事の話をしたり、孫同士がその日の学校のことを話したり、親子がその日の下校の連絡をとったりという状況になり、まるで昔の大家族のリビングのようになりました。

 そういえば、昔のおばあちゃんって、広間で家族の話をただ聞いていて、とりたてて「おばあちゃん、おばあちゃん」って言われなくても家族の一員だったよなぁ…という気づきがありました。

 そこから、それほど高いスキルがなくても、タブレットにスタンプ一つ打てるだけでも高齢者がコミュニケーションに加われるのではないか?と考え始め、今の「ITふれあいカフェ」のようなところでタブレットに触れる機会を増やしてゆきたいと決めたのです。

 私がこういう活動を始めたことで母も変わり、ほとんど1年半前に寝たきりだった父にも大きな変化が出てきました。

 一進一退、まさにこの言葉が介護にはぴったりですが、介護者の孤独を無くすことでどれだけの人が救われるか。私の家庭の一番の問題は介護者である母の孤独感でした。

 その課題を今後さらに掘り下げてゆきたいと思います。