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投稿日時:2014-09-09 10:00 AM

沖縄の自立と民間による次世代リーダーの育成 – RyukyuFrogs

次世代リーダーをシリコンバレーに派遣

 8月17日、中学生1名を含む「RyukyuFrogs」第6期選抜メンバーが、シリコンバレーへ向けて那覇空港を飛び立った。

 県内IT企業が中心となって2007年に設立されたRyukyuFrogs(設立当初はITfrogs)は、沖縄の将来を担う起業家マインドを持った人材を選抜し、シリコンバレーでの研修を体験させるプログラムだ。

 デジラボおきなわの会場を訪れたRyukyuFrogs理事長の比屋根隆氏に、これまでの成果や子どもたちの変化について聞いてみた。対象が高校生中心ということもあり、過去の参加者で社会人の年齢に達した人は少ないが、沖縄のために何かをしたい、沖縄が世の中のために何ができるか考える子が増えたという。また、社内ベンチャーとして事業化を試みる者もおり、「志の種を植える」ことができているのではないかと語った。

 詳しくは、RyukyuFrogs・比屋根隆理事長(県内最大のIT企業・株式会社レキサス代表)へのインタビュー動画をご覧いただきたい。(聞き手:finder主宰・奥田浩美)

RyukyuFrogs・比屋根隆理事長 インタビュー動画要旨

きっかけは?
 2007年に初めてシリコンバレーへ行って後悔した。学生時代に行っていれば、もっと大きなビジョンで事業を立ち上げただろうと思えた。沖縄では、小さい頃から「沖縄は自立しなければいけない」と言われるが、何をもって自立なのかという数値目標もない。レキサスは何を未来に残すのかを考え、沖縄の自立に貢献できる、推進できる企業になろうと思った。

Frogsとは井の中の蛙?
 沖縄という小さな池から飛び出して、今の環境がいかに小さいものかを知って欲しい。世界フィールドで地域イノベーションを作る人材を作りたいというイメージ。テーマは沖縄の自立。沖縄の企業や人が作るサービスは何か違うよねと言われるような、人材を育成する。

気付き、手応えは?
 2期からは高校生を対象に加え、第6期は中学生からも応募があり、最終選考に残ってシリコンバレーへ派遣された。何が嬉しかったかというと、学校の先生がFrogsにつなげてくれたこと。地道に多くの親や先生の共感を得てきたことで、各家庭や学校の現場で志の高い先生がFrogsを活用しようとなってきた。

選考方法は?
 沖縄の課題やあなたはそれをどう解決したいかという小論文に加え、今回からは合宿型の選考を採用した。合宿を通じてその人の資質を見ることで、必ずしも技術力がなくても、チームとして見た時に必要な人材を選抜することができた。

目指す方向は?
 2つある。一つ目は、自立を実現するための人材育成を民間主導で続けていくこと。参考にしているのがJリーグのピラミッド型の人材育成方法。トップから、下に行くと地方ではNPOやボランティアが支えている。同様にITでも、週末、地域の子どもたち相手にプログラムやデザインを教え、そこから選抜された子たちがFrogsなど様々なステップを経て、未来の沖縄を作るプログラムに参加ような仕組みを作りたい。

 また、行政のプログラムとの連携も必要だ。行政は明日の失業率改善にはお金を出せるが、長期的なリーダー育成は民間でやるべき。行政は下の裾野、さらにその下はNPOなどが受け持ち、民間はトップ層を輩出するといった面としての結びつきを作ることで、より効率的・効果的に運用していきたい。

なぜ沖縄でリーダーの必要性が?
 沖縄は受け身、会社でも家庭でも安定志向でなかなか自立が実現できていない。復帰後から17兆円つぎ込まれてきたともいわれるが、それでも自立出来ていないのは、構造の問題、それは最終的にはハードではなく人の問題だ。だから、若い頃からチャレンジする同世代を集める場所を作り、そういう人材を増やすことが必要。

 沖縄は色々やりやすい島なので、モデルケースとして事例が作れればいい。沖縄だけでなく、外のプログラムとつなげることも大切なので、そういう連携もしていきたい。